アスベスト屋根のメンテナンス、撤去、対応方法

2017.10.25

この季節になると気になって気になってくるのが自宅での「雨漏り」です。

雨漏りのイメージと言えば、水滴が天井から染み出して部屋の床にポトポトと落ちてくるイメージですが、
実際は天井から染み出るまでもいかず屋根から天井裏まで雨漏りしていて雨漏りしていること自体に気づけないケースが多くあります。

それをほったらかしにしているとカビや腐食の原因となり得ますので、一度雨漏りしたことのある屋根や老朽化した屋根である場合は、屋根業者に一度確認してもらうことをおススメします。

雨漏りでもうひとつ気を付けていただきたいことが、「アスベスト屋根」による雨漏りです。
自宅の屋根にアスベストが含まれている場合、雨漏りと一緒に有害物質が部屋に飛散してしまう可能性があります。

今回のコラムでは、アスベスト屋根についてアスベストとは何か?アスベスト屋根のメンテナンス及び対応方法までご紹介いたします。

アスベストとは?

アスベスト

まず、アスベストとはどのようなものであるかをご説明します。

アスベストは天然に存在している唯一の繊維状鉱物で、綿のような外観から日本語では石綿(いしわた、せきめん)と呼ばれています。
綿状ながら「鉱物」であり、その細さは、アスベスト1本の直径0.01ミクロン~1ミクロン程度(ミクロン:1/1000mm)です。

具体的に比較すると髪の毛の1/5000程の細さとなります。この細い結晶が数千本合わさって、0.5~1mm/本の細い繊維として見える訳です。
1本1本がパイプ状の構造をしていて、中は空洞になっています。

そのため、すごく軽量で、無風の環境でも数メートルの高さから落とすと、地面に落ちるまで10時間以上は掛かると言われています。
つまり、屋根ほどの高さから飛散してしまうと長時間空気中を漂い、衣服などに付着し、人の口や鼻から吸い込まれて体内に侵入する恐れがあります。

アスベストの特徴

アスベストは「石綿」と言われるように、「石」と「綿」両方の性質を併せ持っています。

そのため、とても丈夫な素材で、物体が引っ張られる力に耐えられる力がきわめて高い「高抗張力」、燃えにくい「不燃性」、高い温度に耐え、変質しない「耐熱性」、薬品によって変質しない「耐薬品性」、電気や熱を通さない「絶縁性」、劣化に抵抗できる「耐久性」、といった様々な特徴を持っています。

1つの物質でこれだけの特徴全てを持っているものは、他には無いと言っても過言ではありません。
アスベストに代わる万能な素材は、他の繊維、素材を多数組み合わせる必要があります。

さらに原材料が豊富にあり、セメントなどとも混ざりやすいため、加工が容易にできる事から、価格が抑えられた製造が可能となりました。
そのため、建築の用途でとても多く使用され、万能な建材として、1960年代の高度成長期頃から日本でも広く普及しました。

【アスベスト禁止令まで】

1975年(昭和50年)10月1日
重量に対して5%を超える石綿の吹付け原則禁止

1995年(平成7年)4月1日
アモサイト、クロシドライトの禁止
重量に対して1%を超える石綿の吹付け原則禁止

2004年(平成16年)10月1日
重量に対して1%を超える石綿含有建材、摩擦材、接着剤等、10品目の禁止

2006年(平18年)9月1日
重量に対して0.1%を超える石綿含有製品の禁止

アスベストは、一部の天然鉱物に不純物として含まれる可能性があり、これらの天然鉱物を原料として使用し、石綿が重量に対して0.1%を超えて含有する製品は、天然のものでも禁止の対象となっています。

アスベストが最も多く用いられたのは、建築材料です。

内・外壁材、屋根瓦などに大量に使われています。アスベストの危険性は70年代から指摘されていましたが、安価で加工しやすいという利点から、さまざまな所で使われ続けた結果、それが現在に至り大きな問題となっているのです。

私たちの身の回りには約3000種類のアスベストを含む製品があると言われています。
詳しくは厚生労働省の『石綿製品について』で紹介されていますので、ご参考下さい。

アスベストが及ぼす健康被害

アスベスト健康被害

アスベストの性質上、結晶が0.1~0.5ミクロンぐらいのものであるため、息を吸い込んだ時に、そのアスベストを身体の中に入り込んでしまいます。

アスベストが身体に吸入されてしまうと、肺の中に長い時間残留し、
次のような疾患を起こす原因となる恐れがあります。

・肺がん
・悪性中皮腫
・アスベスト肺 など

共通した特徴は、アスベストを吸い込んでから、数十年の潜伏期(発病するまでの期間)があることです。

これらの病気は症状が進行し、悪化するまで身体の異変に気が付かないことが多いため、問題視されています。
吸入してからの潜伏期間(20年~40年)には自覚症状がほとんどない場合が多いのです。

アスベストを含んだ屋根

前述しましたが、アスベストは、断熱性・耐久性・高抗張力など、他に代わる素材がないほど優れた性質を持つことから万能な建材として、広く普及しました。

その性質の高さから多くの屋根や外壁に用いられ、スレート屋根(コロニアル)の誕生に至りました。

現在でも人気の高いスレート屋根は大正時代に開発、使用され始め、日本では1960年代に石綿とセメントをミックスした石綿スレートが広く普及しました。
しかし、人体に悪影響を及ぼすことが発覚し、1993年には含有率を5%以下にすることが定められ、2004年には使用が禁止となりました。
その結果、現代にアスベストが含まれた屋根が残されているのです。※2004年以降の屋根にはアスベストは利用されておりません。

今から約20年前にお家を建てられた方、葺き替え工事でスレート屋根にされた方は、アスベスト入りのスレート屋根材である可能性が十分にあります。

アスベストが含まれた屋根の対応方法

スレート屋根は、通常10年程度で屋根を塗り直すことが推奨されています。
こういった塗装などのメンテナンス時期にアスベストの問題に気が付かれる方が多いようです。

・塗装
・葺き替え
・カバー工法

 

主に3つのメンテナンス方法がございます。

しかし、アスベスト入りの屋根材をメンテナンスする際は、周辺の方々などに十分配慮した特殊な施工方法を行う必要があります。
また、誰でもできる施工という訳ではなく、専門の知識やスキルを身に付けている業者(職人)でないと施工はできません。



・塗装

アスベストを含んだ既存のスレートを剥がす必要はないものの、塗装時には高圧洗浄を行います。この際にアスベストが基準値を超えて飛散してしまう可能性がありますので、その対策も必要です。

・葺き替え

既存の屋根材を全て剥がしますので、多量のアスベストが飛散されると言われています。
施工される方はもちろん、周囲の方々へも影響が及んでしまう恐れがありますので、工事の際には特別な処理・処分などが必要となります。

これは、撤去する屋根材を包む手間や処理が埋め立てなどに費用が高くなる可能性があります。

・カバー工法

既存の屋根はそのままに、上に新品の屋根材を設置する方法です。
アスベストを含んだ屋根の撤去にかかる費用は高額となる可能性がありますが、費用を抑えることも可能です。

ただし、既存の屋根をはがさないため屋根裏部分の修繕が行えませんし、新しい屋根材が乗るわけですから、当然重量は重くなります。
そのため、耐震性において不利となる可能性があることも考慮した方が良さそうです。

波型スレート

アスベスト

波型スレートとは主に工場や倉庫、などに使われている屋根材です。

アスベスト=波型スレートといったイメージが一般的に定着されており、連想される方も多いのではないでしょうか。
現在では、波型スレートの代わりに金属で成形された折半屋根が大型建築物では主流になっています。
もちろんアスベストを使用していない波型スレートも販売されていますので、完全に廃れてしまったわけではありません。

今、メンテナンスが必要な波型スレート屋根は、アスベストが含まれている可能性が高いです。
この場合のメンテナンス方法は、費用や工期を考慮すると、カバー工法によるメンテナンスを考える方も多いです。

日本住宅工事管理協会へご相談下さい。

アスベストをメンテナンス、特に撤去する際は高額となる可能性がございますので、しっかりと見積もりを確認してから検討することが必要です。

まずはしっかりとお話しを伺い、解決に向け一緒に考えさせていただきます。

» コラム一覧に戻る

  • 屋根工事・業者選びに関するご質問はこちら
  • 屋根の専門担当が無料チェックいたします!
  • 屋根に関するご相談はこちら
  • 雨漏りの注意
  • 仕事を手伝って頂ける業者様を大募集
  • 屋根に関するご相談メールの方はこちら
  • お見積りのチェックをご希望の方はこちら
  • 屋根工事の相場
  • 日本住宅工事管理協会は何をしてくれるところなの