知っているようで知らない?今さら聞けないアスベスト問題

2015.10.17

意外と知らない、アスベストについて

「この屋根は、アスベストが含まれていますよ!」と突然訪問販売が来て……というご相談が寄せられることがあります。
そうでなくても、屋根工事の際にアスベストを含んでいると言われてビックリした方もいるのではないでしょうか。

「アスベスト」と聞くとそれでけで非常に怖く、早く何とかしないと大変なことになるのでは、と非常に焦ってしまうと思います。

確かに、アスベストは人体に悪影響を及ぼす危険性が非常に高いものです。

でも、アスベストの何が、どう悪いのでしょうか?

マスコミなどで急速にその危険性が取り上げられたことで何となく「アスベストは悪者だ!」とお思いの方がほとんどだとは思いますが、具体的にアスベストについて説明できる人はどれくらいいるでしょうか。
ただなんとなく、得体のしれない恐ろしいものと思っている方も多いようです。

ではなぜ、こんなにも世の中にアスベストが普及しているのでしょうか。
今回は、アスベストの使用起源やアスベストに光が当たっていた時代、アスベストの危険性が明るみに出るまでの歴史のほか、政府の対策や私たちが注意すべきことについてお伝えします。

そもそもアスベストとは何か

まず、アスベストとは何であるかをご説明します。

アスベストは綿状・繊維状の鉱物で、石綿(せきめん・いしわた)と呼ばれています。
意外と思われる方も多いのですが、アスベストは天然に存在している鉱物です。

法的には、「石綿とは繊維状を呈しているアクチノライト、アンソフィライト、アモサイト、クリソタイル、クロシドライト及びトレモライト」とされています。
中でも代表的なのがクリソタイル、クロシドライト、アモサイトと呼ばれるアスベストです。

アスベストとは
※出典:国土交通省

アスベストが優れている点

悪者でしかないように思われているアスベストですが、人体に悪影響があることを除けば実は優れた鉱物ともいえます。
重要なのは「人体に悪影響がある」という点で、これを無視して評価するわけにはいかないので、問題となっているのです。
人体への影響に関してはこの後で触れるとして、まずはアスベストが優れているといわれる所以を説明します。

アスベストはギリシア語で「不滅のもの」を意味しています。
1本1本の繊維はとても細く、それでいて非常に丈夫で火や熱、摩擦に強いのが特徴です。
また、薬品に侵されず、熱や電気に対する絶縁性や防音性も高いといわれています。

なぜ普及したの?アスベストの歴史

このように、アスベストは産業的な価値がきわめて高いうえセメントなどとも混ざりやすいため、これまでに多くの製品に利用されてきました。

歴史をもっとさかのぼると、古代エジプトにもミイラを包むのに使われていたそうです。
日本でも「竹取物語」に登場するなど、古い歴史を持つ鉱物です。

日本国内では1890年代にアスベストの工業化が始まり、軍の需要のもと拡大されました。
ピークは1974年と言われており、屋根に関していうと、1960年代にアスベストとセメントをミックスした石綿スレートが広く普及しました。

ですが、人体への被害が大きいことからクボタショック(※)などを経て、石綿および石綿製品は、2006年(平成18年)9月1日より製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました。
また、2012年3月1日には例外として使用が認められていた一部のシール材についてもついに禁止されました。

※クボタショックとは(出典:コトバンク)
コトバンクによると『2005年6月、大手機械メーカーのクボタは「兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場の従業員74人がアスベスト関連病で過去に死亡し、工場周辺に住み中皮腫で治療中の住民3人に200万円の見舞金を出す」と公表した。』とあります。

アスベストの何が危険なの?

なんだか、アスベストがとても優れていておすすめしているようにも見えるかもしれませんが、アスベストは非常に危険です。

アスベストの繊維は非常に細くて軽いものです。
ですから、空気中に浮遊しやすく、人は気が付かないうちに吸入してしまうのです。

アスベストを吸入するとなぜ危険かというと、肺の中に長い時間残留し、次のような疾患を起こす原因となる恐れがあるためです。

●肺がん
●アスベスト肺
●悪性中皮腫 など

これらの病気は症状が悪化するまで気が付かないことが多いのも問題視されています。

アスベストとは
※出典:国土交通省

なぜアスベストは長く使われてきたの?

そこで、疑問に思うのが、なぜこんなにも危険なものを人類は長く利用してきたのかという点です。

理由の一つが、先ほどから述べているアスベストの有用性にあります。

ローコストでありながら、優れた性質を持っているため、危険性が分かってからもなかなかアスベスト依存から抜けることが出来なかったといわれています。
そのため、全面製造禁止に至るまで長い期間がかかったと考えられています。

ですが、どんなに便利なものであっても人の命を奪う可能性がある以上今後もアスベスト撤廃に向けて人類は動いていく必要があるはずです。
いま、政府はどのように動いているのでしょうか。

政府の方針と対策

政府は現在、建築物にアスベスト飛散のおそれがある建材の利用を禁止しています。
既に使用して建てられている建築物については、露出した吹き付けが行われている場合、分析調査を実施しなくてはいけません。
調査の結果、アスベスト飛散の可能性があると判断された場合は、早急に対策工事を行う必要があります。

なお以下のような法律により、アスベストに関する規制が行われています。

●建築基準法
●大気汚染防止法
●廃棄物処理法

また、多くの人が利用する建築物などでは一定の条件を満たせばこれらの調査や除去などに関する支援制度も設けれているなど、除去に向けた取り組みにも注目されています。

身の回りでアスベストが含まれているもの

現在、私たちの身の回りには約3000種類のアスベストを含む製品があるといわれています。
その多くが屋根・外壁などの建築物や吹付け材に利用されています。

詳しくはこちらで紹介されていますので、ご参考下さい。
→厚生労働省 『石綿製品について

ただ分からず怖がるより、知識を得てから工事をしましょう

いままで「何かわからないけど、怖いから…」という方が大半でしたが、危険性が叫ばれている以上、最低限の知識を身に着けておくことは大切です。

悪質な業者などにとって、アスベストなどの「有名だけど、よく分からない」存在は非常に便利です。
心理状態につけ込んだ詐欺の報告などもありますので、まずは消費者サイドも知識を持つようにしたいものです。

実際に施工する場合ですが、屋根の場合は「塗装」「葺き替え」「カバー工法」の中から選択するのが通常です。
屋根とアスベストとの関係についてはこちらの記事で取り上げていますので、施工をお考えの方は一度こちらもご覧になってください。
屋根リフォームの前に知っておきたい、アスベスト対策

お気軽にご相談ください!

「うちは大丈夫でしょうか」「アスベストを含んでいるからすぐに工事を!と訪問販売が来たのですが、不安です」など、当協会には様々なお悩みが寄せられています。

みなさまの中にも同じようにお悩みを抱えている方がいれば、お気軽にご相談ください。
アスベストを含んだ屋根の工事などに関しても、みなさまと一緒に最適な工事方法を考えさせていただきます。

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