実はとっても重要! 屋根の勾配とその役割について

2015.07.24

今回は、雨漏りにも少し関係のある勾配のお話しです。一軒家にお住まいの方は、一度ご自分の屋根を見上げて傾斜を確認してみてください。とんがっていますか? それとも、なだらかでしょうか。さて、ではいったい、そもそもなぜ屋根に角度がついているのでしょうか。その理由は、簡単にいうと傾斜をつけることにとって雨などを逃がすためです。この傾斜の度合いを勾配と言いますが、実はこの勾配には役割があり、傾斜角度によって、それぞれにメリット・デメリットがあるのです。

屋根の角度を示す「勾配数」の表し方

屋根の勾配を数値化したものを勾配数と言います。勾配数の示し方は3種類あります。

尺貫法勾配(寸法勾配)

表し方:x寸

水平方向水平距離10寸に対しての高さで求めます。

◆分数勾配

表し方:x/10

水平方向と高さの比率。上記の尺貫法勾配と同じ方法で求めます。例えば、水平方向に10寸を基準として、高さが5寸の場合、5(高さ)/10(水平)=5/10(もしくは1/2)とあらわします。

◆角度勾配

表し方:x°

通常はほぼ使わない方法です。例えば5寸勾配の場合、26.5650°、3寸勾配であれば16.6992°となりたいへん細かい数値になります。

勾配数が分かれば、屋根面積が分かる

ここでは細かい計算方法などは省きますが、シンプルに言うと勾配が急になるほど、屋根の面積は広くなります。屋根の勾配が急になると、その文屋根は長くなりますので、その分、面積が広くなるということす。面積が広ければ広いほど、屋根材もたくさん使いますから、葺き替え工事などの際、コスト面だけを考えると、勾配と面積は非常に重要なポイントになります。

勾配数によって、使える屋根材が異なる

更に、勾配数によって使用できる屋根材が変わります。例えば瓦屋根の場合ですと、瓦を重ねていく都合上、最終的に勾配がゆるくなりますので、4寸以上が必要です。このようにそれぞれの屋根材に設けられている基準があります。基準以下にしてしまうと、雨漏りなどのリスクが高まりますので、必ず守るようにしましょう。

勾配別の名称

角度が急な順に、急勾配・並勾配・緩勾配と呼ばれています。それぞれにメリットとデメリットがありますので、ご紹介いたします。

急勾配の特徴

6寸勾配以上の勾配を指します。一番の特徴は角度がある分、雨が屋根に溜まりにくく、雨漏りをしにくいという点です。ただし、傾斜が急な分だけコスト面での負荷が懸念されます。

【急勾配のメリット】
●雨漏りのリスクが減る
 (雨が屋根に留まる時間が短いため)
●デザイン性が高まる
 (ある程度、勾配数がある方がバランスが良い)
●屋根裏が広くなる
  (収納スペースの確保及び断熱効果への期待)

【急勾配のデメリット】
●コストがかかる
 (屋根面積が広く施工費がかかる/工事の際に足場が必須となる/職人が限られ人件費がかかる)
●耐風性が劣る
  (角度がきつい分、台風や突風の際に影響を受けやすくなる)

緩勾配の特徴

3寸勾配以下の勾配を指します。雨水が溜まりやすいなどマイナス面が目立つ反面、落雪防止などの観点から雪国などでは多く採用されています。

【緩勾配のメリット】
●風の影響を受けにくい
 (傾斜がなだらかな分、風の影響が少ない)
●コストが抑えられる
 (屋根面積が狭く工事費を抑えられる/足場が必須でない/人件費を抑えられる)

【緩勾配のデメリット】
●雨漏りのリスクが高まる
 (雨が屋根に留まりやすく、雨漏りの危険性が高まる)
●デザイン性が劣る
 (建物とのバランスが難しい)
●耐久性が低い
 (ホコリなどが付着しやすく、そこに雨が侵入して腐食を早める可能性がある)
●使用できる屋根材が限定される
 (金属系の瓦棒やガルバリウム鋼板に限られることが多い)
※例えば、1寸勾配の屋根に瓦を採用すると、溜まった雨水が瓦の隙間から侵入してしまうなど、大変危険です。

並勾配の特徴

3寸~5寸程度の勾配を指します。水はけ・デザイン性・コスト面など、あらゆる側面で及第点を満たしているため、多くの家庭で取り入れられているスタンダードな勾配です。突出したデメリットがないのも特徴です。

【並勾配のメリット】
●雨漏りしにくい
 (並勾配であれば、屋根に雨が溜まるリスクは低いと考えられる)
●足場が必ずしも必須ではない
 (もちろん足場を組むにこしたことはないものの、必須ではなく、そのためコストを削減することが可能)
●ほとんどの屋根材に適合している
 (多くの屋根材に適合できるので、将来屋根材を変更したいと思ったときにも対応しやすい)
●デザイン性も維持できる
 (並勾配であれば、景観的にも問題のない範囲といわれている)

傾斜の重要性を再認識いただければ大丈夫です!

いかがでしたでしょうか。今まで全く気にも留めていなかった屋根の角度。実は、「デザイン」「使用できる屋根材」「水はけ」「メンテナンス」といった様々な面につながっているのです。設計前の方はもちろん、修繕をお考えの方もご自身の屋根勾配に適した工事が行われるよう、注意を払う必要がありそうです。

もちろん、ご自身で細かな計算や勾配に合わせた屋根材の選定をするのはとても大変ですので、専門家にお任せください。ただし、家主様がある程度勾配の重要性を知っておくことも大切ですので、この機会に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

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