葺き替え工事での棟の撤去・新設について

2016.10.12

葺き替え工事での棟の撤去・新設について

屋根は風雨から家を守る重要な役目を担っています。

夏場には長時間太陽光を直接浴びることで温度が上昇し、台風や梅雨の季節には大量の水が降りかかり、継続的に大きな負担がかかっています。しかし雨漏りして初めて、老朽化していることに気付かれるケースも少なくありません。

残念ながら築30年以上の場合には、屋根の寿命がきていて、業者から屋根材の葺き替え工事を提案されることもあるかと思います。

屋根材を葺き替える場合、まずは既存の屋根材を撤去することから始める必要があります。

棟とは、屋根の最も高くに位置する部分です。
瓦屋根で見ると分かりやすいですが、下図の冠瓦・熨斗瓦・鬼瓦の部分が棟にあたります。

屋根の説明

写真出典:瓦屋根 ( 写真 ) – タジコも歩けば 棒に当たるかな? – Yahoo!ブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/taziko5848/32082140.html)

それでは、屋根材別に棟の撤去と新設についてご紹介していきます。

棟の撤去・新設工事とは

瓦屋根の場合

瓦屋根 棟の撤去・新設工事

出典:葺き替え工事もお任せください | 雨漏り修理お任せ隊
(http://amamori-omakasetai.com/hukikae_cover/hukikae/)

瓦屋根の場合、台風や竜巻・地震で一番先に崩れてしまうのが棟部分です。
漆喰が剥がれて、中の土が出てきてしまったら、棟を取り直さなければなりません。

棟を取り直すには、まず古い地瓦を撤去する必要があります。
地瓦の撤去では、土・下材共に合わせて撤去作業に入るので、工事の項目では一緒になっている場合もあります。

瓦屋根の棟部分の瓦は、熨斗瓦、冠瓦で構成され、平瓦(本体瓦、桟瓦)との間を面戸と言います。
この面戸の部分をどのように処理するか、いろいろ方法があります。

従来の棟施工では、棟専用の土をのせ、棟瓦(熨斗瓦、冠瓦)を施工したあと、中の土が出てこないように漆喰でとめる方法でした。
土と漆喰とはとても相性の良い組み合わせですが、棟部分が屋根本体にのせてあるだけなので地震に弱い構造です。

阪神淡路大震災以降、耐震工法が一般的になり、心材を使って棟を固定する施工方法になりました。
現在では南蛮漆喰(寒冷地ではセメントモルタル)で棟を固定するやり方が一般的です。

※南蛮漆喰…漆喰に石灰などを加えたもの。粘着力が強く熨斗瓦の下材として使われることが多い

金属屋根の場合

金属屋根 棟の撤去・新設工事

出典:横暖ルーフ 施工例(http://www.sanwa-yokohama.co.jp/yokodanru-fu.html)

スレート(カラーベスト・コロニアル)屋根の頂点をとめている鉄板の事を、棟板金と呼びます。

住宅の一番テッペンの頭の部分で屋根の最後の「しまい」の部分です。
風雨に晒される場所なので、釘が浮いたり抜けたりしている事があります。

まずは既存の棟板金を取り外し、撤去処分します。
次に、棟板金の下地にあたる構造材を交換します。

釘の浮きの原因は、この下地である木材が腐食している場合が多いです。
下地材の腐食が原因で、台風や強風で煽られて板金が飛散することもありますので、棟板金工事における下地材の固定はとても重要です。

従来、棟板金を固定している貫板は木製でした。
そのため、雨水が浸入すると腐食や劣化のスピードが早まり、釘を固定する力も弱まります。

最近出回っているプラスチック樹脂製の貫板は水分を吸収しませんので、木製よりも劣化しにくいのが特長です。

また、板金を固定するのにも釘ではなく、SUSビス(ステンレス製のネジ)を使用することで、耐錆性と強度を高めることができます。

棟の撤去・新設工事の相場について

瓦屋根の場合

yajirushi_c 古い地瓦の撤去… 1mあたり¥1,200~

yajirushi_c 棟瓦撤去・処分… 1mあたり¥1,200~

yajirushi_c 棟瓦の新設… 1mあたり¥3,000~

金属屋根の場合

yajirushi_c 棟包み鉄板撤去… 1㎡あたり¥1,200~

yajirushi_c 棟板金の新設(材料費込み)… 1㎡あたり¥7,000~

※地方や各業者により大きな変動がみられる工事項目です。
棟瓦の場合、段数により費用が高くなります。

棟の撤去・新設の見積が入る工事内容

①葺き替え工事 ②板金工事 ③瓦屋根の漆喰工事 ④棟直し工事 ⑤カバー工法 ⑥塗装工事

棟の撤去・新設工事の施工時に気をつけること

瓦屋根の場合

瓦屋根の棟撤去・新設工事で多いトラブルは、漆喰の塗りすぎです。

漆喰

出典:荒川区|瓦屋根漆喰工事が竣工いたしました | 屋根工事 屋根リフォームなら街の屋根やさん
(http://屋根工事.net/%E7%8F%BE%E5%A0%B4%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/%E8%8D%92%E5%B7%9D%E5%8C%BA%EF%BD%9C%E7%93%A6%E5%B1%8B%E6%A0%B9%E6%BC%86%E5%96%B0%E5%B7%A5%E4%BA%8B%E3%81%8C%E7%AB%A3%E5%B7%A5%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F)

棟部分の瓦と平瓦との間を面戸といいますが、この部分は大気中や雨中に混じる埃が付着しやすく、苔・黒カビが繁殖してしまう場所です。
ここが汚れていると、雨をきれいに捌けず、継続的に水分が溜まってしまいます。

棟の撤去時にせっかく古い漆喰を撤去しても、そのまま何の調整もせずまた同じように塗り直してしまえば、また同じ箇所で同じように水溜まりができてしまうことにもなりかねません。

特に一段目の熨斗瓦の水の落口の直ぐ下に漆喰を塗ってしまうと、雨漏りの原因や、凍み割れの原因にもなりますので注意しましょう。

しっかりと雨水の流れを見極めて、きちんと雨仕舞いする必要があります。
棟瓦の漆喰は慎重な施工が必須となりますので、きちんとした専門家に任せるのが大切です。

金属屋根の場合

棟板金の浮きや剥がれ、落下、飛散等の事故は、棟板金内部の貫板の劣化が主な原因です。

棟板金工事ではほとんどの場合、貫板の交換や補修も併せて行います。
板金を固定している釘が浮き始めていたり、中の貫板が老朽化していたりすると、強風で板金が浮き上がってきてしまい、屋根材との間に隙間が出来て雨水が侵入します。

棟板金の工事では、板金と貫板を撤去した後にしっかりと清掃をし、雨漏りに繋がるような部分に対処することが重要です。

古い釘は錆びてしまうので、新設の時にはステンレス製のビスや、プラスチック樹脂製の貫板を使うことをお勧めします。

また、カバー工法で重要なのは通気を確保することです。屋根裏には湿気がこもるので、大気へと開放する必要があります。

通気口の配慮

出典:ガルバリウム鋼板 | 古川都市建築計画 横浜市/建築設計事務所
(http://furukawa-arch.com/tag/%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E9%8B%BC%E6%9D%BF/)

完全に塞いでしまうと下地の腐食の原因ともなりますので注意が必要です。

棟の撤去・新設には含まれないもの

●塗装工事
屋根表面の塗替え工事には、棟の撤去・新設工事が含まれないことがあります。
スレート屋根であれば、棟板金を取り外して新しいものと交換することもありますが、工事項目にきちんと明記されるはずなので確認しましょう。

●漆喰工事
漆喰工事は現状の老朽化の度合いによって、棟瓦の撤去・新設工事は入らない場合もあります。
漆喰の剥がれた部分のみ取り除いて処分するためです。
漆喰補修とも呼ばれる工事で、この場合は棟瓦までは撤去しないことも多いです。

●陸屋根工事
当然のことながら、陸屋根には棟が無いので棟の撤去・新設工事は入りません。

見積の中の棟の撤去・新設で気にしなければいけないこと

屋根の工事はすべて十分な施工経験と知識・技術を必要としますが、棟の撤去・新設工事は特にその傾向が強い重要な項目です。 棟瓦の撤去・新設には瓦工事の専門家を、棟板金の撤去・新設には専門の板金屋を探して依頼しましょう。

屋根と一口に言っても様々な形状・材質があり、それぞれの立地条件や築年数によって老朽化の度合いも違いますので、何社かに現地調査に入ってもらい、相見積もりをとることをお勧めします。

A社に含まれている項目がB社には無い、といった場合には、

yajirushi_cその項目がどんな工事内容なのか

yajirushi_cどうして含まれているのか(もしくは無いのか)  をきちんと説明してもらいましょう。

工事見積をよく吟味せずに契約してしまうと、後々のトラブルのもとです。

どんな工事にどれくらいの費用がかかるのか、日本住宅工事管理協会では無料相談も承っておりますので、ご契約の前に一度ご相談下さい。

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